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HOME PLANNING

古い家の庭と佇まいを、次の暮らしへ。 残すことから考えるリノベーション

杉本です。 古い家を訪れたとき、部屋に入る前からいいなと感じることがあります。道路から玄関までの少し奥まった道や、庭の木が落とす影。建物だけを見ていると気づかない、その場所らしい雰囲気です。リノベーションでは、使いにくいところを直すと同時に、こうしたよさを見つけておきたいと思っています。新しくしたいものを並べる前に、これからも残っていてほしい風景は何か。その話から始めることで、改修の方向も変わってきます。 はじめに、好きなところを教えてください 住まいの相談では、寒さや段差、間取りの使いづらさなど、困っていることが先に出てきます。もちろん、きちんと直したいところです。それと一緒に、今の家で気に入っている場所も聞かせていただきます。朝、台所の窓から見える木。玄関に向かう途中で季節の花が見えること。雨の日に軒の下で少し立ち止まれること。毎日のことなので、暮らしている方には当たり前になっているかもしれません。 そのよさは、もさを生かしながら、二つの世帯の距離感を考え、南からの光を取り込むことや耐震面の改善も合わせて進めています。庭が残っていても、室内から見えなかったり、外へ出るのが面倒だったりすると、暮らしとの関係は薄くなります。どの部屋から眺めるか。どこから庭へ出るか。木や石の配置だけでなく、室内とのつながりまで考えたいところです。 育った木には、新しく植えたときとは違う枝ぶりや木陰があります。その木がつくる居場所も含めて、次の住まいの計画に取り込んでいきます。
佇まいを残しながら、安心して使えるように 残したいものが見えてきたら、その状態を調べます。外観がきれいに見えても、雨水の入り込みや傷みが隠れていることもあります。庭の木も、枝の状態や建物との距離、根の広がりを確認しておきたいです。 残す部分と新しくする部分は、別々には考えられません。窓の位置を変えれば、庭の見え方も変わります。室内の床の高さを整えると、外へ出るところに段差が生まれる場合もある。ひとつの変更が、周りにどうつながるかを確かめます。 古いものを大切にすることと、寒さや使いづらさを我慢することは、分けて考えたいと思っています。外からの印象を保ちながら、建物の状態に合わせて断熱や設備を見直せる場合もあります。必要な工事を整理し、残せる範囲と直すべきところを判断していきます。 次の暮らしに、無理なく馴染むように 庭の手入れを楽しめる方もいれば、これからは少し負担を減らしたいという方もいます。昔と同じ形をすべて維持することが、ご家族にとってよいとは限りません。残したい景色と、続けられる手入れの量を、一緒に考えます。よく通るところの足元を整える。手の届きにくい場所を減らす。眺める庭と、日常的に出て使う庭の関係を整理する。小さな変更でも、その場所との付き合い方は変わっていきます。 家族の人数や暮らし方が変わっても、庭を眺める場所がある。その家を初めて使う人にとっても、自然と腰を下ろせる場所になっている。過去のよさを手がかりにしながら、次に暮らす人の使いやすさまで考えたいです。手を入れたあとも、以前から好きだった景色がそこにある。そこへ新しい日常が重なり、次の世代にも大切にされていく。そんな受け継ぎ方を、建物と庭の両方から考えていきます。
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