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DESIGN IDEAS

古い別荘を、もう一度通いたくなる場所へ。 リノベーションで見直すこと

杉本です。 好きな景色があって、家族で過ごした時間もある。それでも、寒さや湿気、使いにくさが気になって、別荘に足を運ぶ機会が少なくなることがあります。 その場所への愛着が残っているなら、今の建物をどう使い直せるか、一度考えてみたいところです。古い別荘のリノベーションでは、残したい風景と、通うのをためらう理由の両方を見ていきます。 もう一度、どんな時間を過ごしたいか 以前は大勢で集まっていたけれど、これからは夫婦でゆっくり過ごしたい。外で遊ぶことが中心だったけれど、今は本を読んだり、料理をしたりする時間を増やしたい。別荘に求めるものも、年月とともに変わります。 使っていない部屋の数だけで判断せず、到着してから帰るまでを思い描いてみます。朝に座りたい場所、食事をする人数、泊まりに来る人との距離。以前の間取りをそのまま新しくする前に、今の過ごし方を書き出しておくと、工事の優先順位が見えてきます。 一方で、気に入っている窓辺や、木々との距離は、簡単に変えたくないものです。今も心地よい場所を確かめてから、その周りを整えていきます。 通いにくくなった理由を、建物から探る 扉を開けたときの湿った感じや、冬の冷え込み。そうした不快さがあると、訪れるたびに準備が必要になり、滞在の楽しさにも関わってきます。まずは、いつ、どこで、何が気になるのかを聞き取ります。 亀岡の別荘リノベーション2は、山肌に沿うように建つ別荘・保養所の改修です。湿気に悩まされ、使用頻度が低くなっていた建物に対し、断熱と防水を見直しました。内装の印象と合わせて、過ごしにくさの原因にも向き合った計画です。 同じ湿気の悩みでも、雨水の浸入なのか、結露なのか、地面からの影響なのかで調べる場所が変わります。見える染みや傷みだけを直さず、屋根や外壁、床下など、必要な範囲を確認して工事を組み立てます。
残す構造と、新しい居場所を一緒に考える 景色に向かって部屋を広げたい。廊下を減らしたい。そうした希望があっても、壁や柱を自由に取り除けるわけではありません。残る図面と現状を照らし合わせ、構造を確かめながら、できる変更を探します。 亀岡の別荘リノベーション2では、耐震補強と合わせて一部の床を抜き、吹抜けを設けました。既存の建物の中でも、床や天井の関係を変えることで、空間のつながりを組み直しています。 吹抜けは、どの別荘にも必要というものではありません。使いたい部屋の広さや、音の伝わり方、暖房の計画も関係します。窓の位置や建具の開き方を調整することで、景色への視線や移動のしやすさが変わる場合もあります。 何を足すかだけでなく、どこをつなぎ、どこに落ち着ける場所を残すか。今ある建物の形を読みながら考えていきます。 工事の範囲は、これからの使い方に合わせる 限られた予算の中では、好きな仕上げや設備から決めたくなります。ただ、雨漏りや構造の問題、使い続けるために必要な設備の更新があれば、先にその範囲を整理したいです。調査後に分かる工事のための余地も、予算に残しておきます。 亀岡の別荘リノベーション1では、主な動線を整理するとともに、防水・防湿・断熱を行い、メンテナンスしやすい素材へ変更しました。訪れたときの心地よさと、手入れを続けられることを一緒に考えています。 工事を分ける場合も、あとで仕上げを壊して配管をやり直すことにならないか、全体の順序を確認します。毎週末に使うのか、季節ごとなのかによっても、整えておきたい場所は違います。 好きな風景がある場所へ、また自然と足が向く。シンクスタジオでは、別荘で過ごしてきた時間を受け止めながら、これからの使い方に合う改修を考えています。