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DESIGN IDEAS

平屋の庭は、どこにつくる? 一つの庭と、いくつかの小さな庭

杉本です。 庭のある平屋に住むなら、外で食事をしたり、好きな木を植えたり。いろいろと想像が膨らみますね。その庭を、家のどこにつくるとよいでしょうか。 居間の前に広い庭を置く方法もあれば、部屋の間に小さな庭を配する方法もあります。庭の広さや数から決める前に、家の中でどのように過ごし、外とどう関わりたいかを考えてみます。 庭で何をするか。どこから眺めるか 休日には庭にテーブルを出して食事をしたい。朝、洗面をしながら緑が見えるとうれしい。寝る前には、窓の向こうの静かな庭を眺めたい。同じ庭でも、求めていることは少しずつ違います。 外で過ごす庭なら、椅子を引いたり、人が通ったりする場所が必要です。台所から料理を運ぶ道筋や、日差しを避けられる場所も考えておきたい。眺めることが中心の庭なら、大きくなくても、窓辺から一本の木が見えるだけで居場所の印象は変わります。 平屋では、いくつもの部屋が地面と近い高さでつながります。その近さを生かすために、居間だけでなく、食卓や寝室からも庭との関係を見ていきます。家の中に、どんな窓辺があると気持ちよいか。そこから庭の配置を考えるのもよい方法です。 庭で過ごすのが週末だけなのか、毎朝少し外に出たいのかでも、配置の考え方は変わります。たとえば、よく使う部屋から離れたところにベンチを置いても、途中で靴を探すのが面倒なら足が向かないかもしれません。普段の動きに庭への出入りを重ねてみると、自分たちに合う庭の姿が具体的になってきます。 一つの庭を、暮らしの中心に置く 居間や食堂の前に一つの庭を置くと、家族が集まる場所と、外で過ごす場所をつなげやすくなります。食事の途中に子どもが庭へ出たり、室内にいる人と軒下で本を読む人が話したり。窓を挟みながら、同じ場所にいるような関係をつくれます。 ただ、庭が南側にあれば、それだけで使いやすくなるわけではありません。道路からよく見える庭では、落ち着いて座りにくいこともあります。隣家との関係や日の当たり方を確かめ、庭の中でどこに座るかまで考えたいところです。 上芳養のコートハウスでは、LDKの南側に縁側を設け、深い庇の下で室内と庭をつないでいます。対岸の道路からの視線には石塀で配慮しました。庭の広さに加えて、外に出たときの居場所を一緒に考えた住まいです。 大きな窓を開けるだけでなく、雨上がりでも腰掛けられるところや、強い日差しを避けて過ごすところがある。そのひと手間で、庭へ出るきっかけが増えると思います。
小さな庭で、部屋ごとに外との関係をつくる 建物に奥行きがある場合や、静かな場所を分けたい場合には、小さな庭を部屋の間に配する方法も考えられます。家族で使う庭とは別に、寝室の前には眺める庭を置く。庭ごとに使い方を分けると、外との関わりにも違いが生まれます。 岩出のコートハウスは、家の中心に中庭を設け、そのまわりに方位に応じて部屋を配した平屋です。ダイニングの南側の窓には梅林の風景も広がります。自分の敷地につくる庭と、外にある景色。その両方を暮らしの近くで捉えています。 小さな庭をいくつか設ける場合も、すべてに同じ役割を持たせる必要はありません。木を眺める場所、空が見える場所、洗濯物を干す場所。それぞれを整理すると、庭のために室内を細かく分断するような無理も避けやすくなります。 中庭を挟んで向かい合う部屋では、互いの視線にも注意します。緑が見えることと、別の部屋がよく見えることは、少し違いますね。窓の位置や向きを調整し、それぞれの場所で落ち着ける関係を探します。 庭の数より、付き合いやすさを考える 庭が複数あると、日々目に入る景色は増えます。一方で、水やりや落ち葉の掃除、木の剪定など、手入れの場所も分かれます。室内からしか入れない庭なら、土や道具をどう運ぶかも考えておきたいです。 排水や窓の掃除まで含め、無理なく続けられるつくり方を検討します。植栽を増やすことだけでなく、枝が伸びたときの姿や、手を入れるための足元にも目を向けます。 一つの庭と、いくつかの小さな庭。どちらがよいかは、敷地と暮らし方によって変わります。好きな景色を眺めること、少し外に出ること、手入れをすること。その一つひとつが日常の中で自然につながる庭にしたいと思っています。 シンクスタジオでは、建物の間取りと庭の配置を一緒に考えています。部屋の広さを決める前に、窓の向こうでどんな時間を過ごしたいか。そこから平屋の形を探していきます。