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DESIGN IDEAS

庭とテラスまで、ひとつの住まいとして設計する

杉本です。 休日の朝、テラスで朝食をとる。夕方、仕事を終えて庭のそばに座る。住まいを考えるとき、そんな外での過ごし方まで想像できると、間取りの見方も変わってきます。 リビングに隣接する庭やテラスは、暮らしの場所として計画したいところです。どこに座り、何を眺め、室内とどう行き来するか。建物を配置する最初の段階から、一緒に考えていきます。 外で過ごす場面から、広さと位置を決める まずお聞きしたいのは、庭でどんな時間を過ごしたいかです。家族で食事をしたいのか、一人で本を読みたいのか。眺めて楽しむことを大切にしたいのか。それによって、テラスの位置や必要な奥行きが変わります。 食事をするなら、テーブルだけでなく、椅子を引く場所や人が後ろを通る余裕も必要です。図面の上に家具を置き、座った人のまわりを歩けるか、食器を運ぶ道筋が遠回りにならないかを確かめます。 くつろぐための椅子なら、背中側に壁や植栽があると落ち着くこともあります。眺めが広がる方向と、体を預けて休める場所。その両方を考えたいですね。 室内側の家具配置も同時に見ていきます。ソファの前を横切ってしか外へ出られないのか、食卓のそばから自然に出られるのか。外での過ごしやすさは、窓を開ける手前から始まっています。 日差しと雨を受け止める、軒下の居場所 気持ちのよいテラスには、空の下で過ごせる場所と、日差しを避けて座れる場所の両方があるといいと思います。屋根を掛ける範囲を考えるときも、外に置く家具や、使う時間帯を重ねて検討します。 上芳養のコートハウスでは、雨風の多い地域性を踏まえて水平に伸びる庇を設けました。南側のLDKと庭のあいだには縁側をつくり、対岸の道路からの視線には石塀で配慮しています。 庇、縁側、石塀を一緒に考えることで、外に近い場所にも落ち着いて過ごせる条件を整えています。庭に向かって開くことと、身を置く場所を守ることを、ひとつの断面の中で考えた計画です。 軒の深さは、その敷地の日差しや室内への採光とのバランスで決めます。深くすると庭側にどのくらい影ができるか、室内から見える空はどう変わるか。季節ごとの日差しを確かめながら、外に出たくなる場所を探します。
庭との関係は、地面の上だけに限らない 敷地に高低差があったり、遠くに眺めが開けていたりするときは、外の居場所をどの高さにつくるかも大切です。庭の木を近くに感じる場所と、空や遠景に向かう場所では、過ごしたときの印象が変わります。 五月丘の家は、南側に公園があり、敷地の半分以上が急な斜面になっています。1階の水回りと書斎では深い軒越しに公園の緑を取り込み、2階LDKのスカイテラスからは大阪平野を望む構成としました。 ここでは、建物の高さと部屋の配置を変えることで、それぞれの階に違う外との関係をつくっています。地面に続く庭だけでなく、周囲の木々や遠くの景色まで、暮らしの中から楽しむ考え方です。 高い位置のテラスを計画する場合は、風の当たり方や周囲への視線、手すり越しに見える景色も確認します。立って眺めるときと椅子に座るときの違いまで、断面や模型を使って検討したいところです。 植栽と手入れまで、最初の計画に含める 庭と建物を一緒に設計するためには、植栽やテラスの予算も、最初から住まい全体の計画に含めておく必要があります。木を植える場所が決まると、室内から見せたい位置や、窓を設ける場所も具体的になります。 木は成長します。植えた日の姿に加えて、枝が広がったときにテラスにどのくらい木陰ができるか、建物や隣地との間隔が保てるかも考えます。剪定などの手入れを自分でするのか、庭師にお願いするのかによっても、計画の仕方は変わります。 外の家具やクッションをしまう場所、水やりや掃除に使う水栓、夜に庭を眺めるための照明。こうした準備があると、外で過ごす前後の手間を減らせます。室内とテラスの床を近い高さにする場合も、雨水の排水や窓まわりの納まりを合わせて検討します。 庭の手入れに必要な道筋も見ておきます。道具や剪定した枝をどこから運ぶか、室内を通らず庭に入れるか。落ち着いて過ごすための庭と、手を掛けて維持していくための動線を、配置の段階で調整しておきたいです。 住まいの居場所が庭まで広がると、同じ家の中にも、天気や気分に合わせて過ごす場所を選ぶ楽しさが生まれます。シンクスタジオでは、室内、軒下、庭を行き来する日常を思い描きながら、建物と外の空間を一緒に設計しています。